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はじめに


 腎臓は血液を濾過して尿を作り,老廃物を除去し、血液、体液中の電解質などの状態を常に一定に保つ役割をしています。そのため、腎臓の働きが低下または消失してしまうと,人間は生命を維持していくことができなくなります。腎臓の働きが極めて低下または消失した状態が続くことを慢性腎不全と呼びます。
 慢性腎不全になると、腎臓の働きを補う治療が必要になり、これを腎代替療法といいます。
 腎代替療法には3つの方法があり、(1) 血液透析、(2)腹膜透析、そして(3)腎移植です。それぞれの特徴、利点、欠点は
表1にまとめてありますし、次ページで詳しく解説します。腎移植は、正常な腎臓を体に入れるため、現在の透析技術では不十分な部分が補われます。血液透析・腹膜透析に伴う様々な合併症を回避し、身体的苦痛から解放されるとともに余命が延長します。また家庭、仕事、学校などの社会生活、食事、時間、行動範囲などの制約から解放され、「腎移植後の生活」に解説する一定の注意点を除けば、健康人のように生きていくことが可能となります。特に小児は、透析療法では成長障害が伴います。友達と遊び、学校生活によって人間性・社会性が育つ大切な時期を透析の制約により失うため、腎代替療法としては腎移植が第1選択となります。
 ほとんどの外国では腎移植が慢性腎不全の第1選択の治療です。腎移植は必ず腎臓を提供してくれる人が必要です。残念ながら日本では死後の臓器提供が外国と比べて極めて少なく、医療者からの情報提供が不足しているため、腎移植が十分普及しておりません。
 移植された腎臓は、一卵性の双子からの提供でない限りは拒絶反応を受けるため、免疫抑制剤の服用が必要です。そのため、腎移植の後は感染症に注意する必要があります。かつて平均10-15年と言われた腎移植の生着率も、最新の免疫抑制剤により、20年、30年以上、長持ちすることが期待できる時代となりました。腎臓を長持ちさせるためには免疫抑制剤の正しい服用が必要です。さらに、拒絶反応以外の腎臓を痛める要因である、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病など、いわゆるメタボリック症候群を予防していくことがとても大切です。そこで、腎移植後は自己管理が大切です。
 このサイトでは、腎臓の働きや腎不全について、腎不全の治療法、腎移植とはなにか、腎移植の入院、手術、服薬、腎移植後の生活について解説いたします。

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