免疫抑制剤の相互作用
免疫抑制剤の相互作用
フラノクマリン類の一種のDHB (6’,7’-ジヒドロキシベルガモチン)の含有量について
(文献 Jpn. J. Pharm. Health Care Sci. 2006; 32: 693-699 より抜粋)
摂取をさけるべき柑橘類
グレープフルーツジュースはコップ1杯飲むと、免疫抑制剤血中濃度に大きな変化をもたらすことは分かっています。それより濃度の低い柑橘類でどこまで影響がでるかは不明だが、当然摂取が多ければ低濃度のものでも影響を及ぼすと考えられます。したがって、常識的な摂取量の範囲で考えれば、左の表の赤で示したものは摂取を避けるべきと思われます(摂取しなければならない切迫した理由はないでしょうから)。
「皮」に注意!
表に示されるように、果実より高濃度のフラノクマリンが含まれます。したがって、オレンジピールのような砂糖漬けや、皮ごと煮込んだもの、マーマレードのような皮を含む加工品は摂取を避けるべきでしょう。
*レモンは果実、果汁は問題ないですが、皮は注意が必要です。
セリ科野菜
セリ科もフラノクマリンが含まれることが知られていますが、これらの通常の摂取量を考えても非常に少ないので、摂取は問題ないと考えられます。
生薬
トウヒ、キジツ(これらはミカン科)、ビャクシ(セリ科)はフラノクマリンが高濃度に含まれます。トウヒ1gでグレープフルーツジュース25ml相当、ビャクシ1gでグレープフルーツジュース60ml相当となります。五積散(ごしゃくさん)、清上防風湯、疎経活血湯にはビャクシが1日量0.4-0.8g処方されますので相互作用が起きる可能性があります。また、トウヒは健胃薬に1日3g相当含まれることもあります。注意が必要です。